2022/6/7
医師向けイベントを自己研鑽を繋ぐ場にするEventomy(β)リリース
OIST Lifetime Ventures Fundからの資金調達
を得て、クオトミーは医師のアカデミックワークや自己研鑽をより良い体験にすべく加速します。
OIST(沖縄科学技術大学院大学)は、「人類のための知の前進」をビジョンに2011年に日本政府主導で設立された5年一貫制博士課程を置く学際的な私立大学院大学で、
Nature Indexでも高い評価を得ています。
今回、科学技術や特定領域の専門家を支援し、技術・研究とビジネスの橋渡しをするという共通のビジョンでライフタイムベンチャーズと連携し、本ファンドを設立しました。
クオトミーでは、この出資をうけ、Eventomyという新プロダクトを立ち上げる構想に至りました。
医師向けイベントを起点に専門性の近い医師同士が臨床知見のやりとりをして、オンライン研鑽をするコミュニケーションツールです。
まずはベータ版をリリースしましたので、ぜひ触ってみてください。
医師向けイベントを自己研鑽を繋ぐ場にするEventomy: https://eventomy.jp/
今回、Eventomyをつくるに至った背景を何回かに分けて書いていきます。
分断されて明るみにでた「臨床知見の偏り」という課題
医師は職業倫理性の高い職種で、最善の医療を患者に提供するために新しい診断・治療法やその活用を追求する「研鑽」を重ねていました。
こうした医師の研鑽は、医療水準の維持・向上のために欠かせません。
新型コロナウィルス感染症は、無症状・未発症患者から感染が広がる特徴から、ヒトの社会活動や繋がりを分断する疾患です。
多くの情報が溢れる中で、科学者や医療関係者の中にも分断をつくり、特に医療従事者は対面でのコミュニティ活動の再開が遅れています。
すると、それぞれの医師・病院が持っている臨床知見が外部に伝わりにくく、医療の停滞を招きます。
学会などの研鑽の場をオンラインやハイブリッドで運営するなどの努力により、医師たちは何とか繋がろうと努力してきました。
しかし、既存のオンラインコミュニケーションでは医師の研鑽的な交流はできませんでした。
これまでの研鑽の場の在り方にも課題があった。
これは、新型コロナウィルスが落ち着いたら学会活動などの研鑽の場をオンラインから元の対面形式に戻せば良い、という単純な問題ではありません。
私たちは、ヒアリングを重ねる上で、診療科・世代・地域によって研鑽の場のオンライン化に対しての捉え方が異なることを理解してきました。
新薬やガイドラインの勉強が研鑽活動の主である診療科の医師にとって、情報のアップデートだけであればオンラインで十分可能なようでした。
若手医師は「専門性がまだ定まっていない」、「コミュニティの主である勤務先の同僚とは対面で会えている」などの理由から、研鑽的な交流が分断されたとは感じておらず、むしろオンライン化を歓迎しています。
この捉え方の相違は地域差も大きく、都市部に勤務していた私が想像する以上に、対面形式の学会参加は地方の医師にとって負担を強いていたようです。
このようにオンラインの利点を歓迎する意見もある中で、以前のような在り方にただ単に戻すというのは、顕在化した課題を改善することにはなりません。
続く
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